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八幡暁コラム:楽園探しの航海へ
ボリューム7
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本文
楽園探しの航海へ Text by:八幡 暁(やはたさとる)
第7回 〜越境・陸の壁〜

 シーカヤックで自由に海を渡ること、この難題は、海上の技術や体力だけの問題ではありませんでした。海を世界の扉として越境する為のルールは、船舶のルールです。昔の人々が海を闊歩していたような時代のやり方は通用しません。シーカヤックでオーストラリアからパプアニューギニアへ渡る為の第一歩で、壁にぶつかったのです。
 オーストラリアの政府観光局、大使館、パプアニューギニアの政府機関にシーカヤックで越境する為の手立てはないか、尋ねてまわりました。ともかく、何か手がかりを探さなければ、事態は動きません。駄目なら駄目で、何が駄目なのかを知るところから始めたのです。

 「オーストラリア国土の最北端に、出入国管理局の局員をヘリで呼び出し、出国の手続きをするしかない。ヘリのチャーター代、局員の出張手当などは、全額、当事者が持つこと」。

 厳しい答えが、そこにありました。オーラリア側、ニューギニア側、両方で同じことをすれば、高額の出費です。アルバイトで貯めた100万円を握り締めて挑むには、あまりにも無謀です。夢ばかりが膨らんでいた自分は、一気に現実に引き戻されました。
 僕は、冒険をする為に必要な交渉や手続きの術を、全く知らないのだ。他に手は無いだろうか…。

 問題は、越境だけではありませんでした。遠征用のカヤックを日本からオーストラリアに送り、スタート地となるケアンズの遥か北にある街まで、運ぶ段取りをしなくてけません。頼れる人は、ほとんどいませんでした。船会社をあたり、ブリスベンまで送るのがベストとわかったものの、こちらも費用が途方も無かったのです。
 旅の資金を貯めなおし、仕切りなおさなければいけないのだろうか。何か方法は無いものか…。

 陸の上で沈没しそうでした。海のトレーニングだけでは足りなかったことを思い知ります。時間はそれほど残されていませんでした。ともかく足掻こう。
 越境に関しては、通常の船舶の出国手続きを行い、入国をインドネシア側にすればいいのではないか。ニューギニア島は、2つの国で半分に分かれています。インドネシア側なら200kmでインドネシア領土へ、300kmで入国手続きが出来る街に着けそうです。パプアニューギニアへ寄るより可能性はあります。

 最悪の緊急事態の場合、どこかへ上陸しようとも、道路も都市もない広大な熱帯ジャングルの海岸線。誰かに伝えようとも、伝えられない場所ですが、リスクは自分達で受け止めるしかありません。

 しかし、この作戦なら、越境できるかもしれない、光が見えてきました。
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